早い死後硬直に注意
ペットが亡くなり、その遺体に接することはあまりに生々しく、そして衝撃的です。
死。その瞬間から、生き物とは別の法則により、ペットの身体は支配され始めます。人間も含め、いわゆる死体現象が起こるのです。
犬や猫の死後硬直は予想より早く、手足から腹部、頭部の順序で広がっていきます。遺体を放置しておくと、前、後肢がつっぱったまま硬直してしまい、棺に収まらなくなる可能性があります。
- ペットの死を確認したら、前・後肢を胸の方へやさしく折り曲げましょう。
- まぶたや口を閉じ、尻尾も整えておきましょう。
- お湯で湿らせた布などで、身体を清めましょう。 頭部、顔、そして全身をやさしく拭き、櫛で毛並みをそろえておいてください。死後は体温が下がるため、ノミやダニが出てくるかもしれません。また、遺体からは体液がにじみ出す場合がありますので、あらかじめ防水シートを敷いておき、口や肛門周辺をタオルやガーゼで拭き取ることも必要です。そのほか、腐敗を防ぐため腹部などに保冷剤を当て、防腐剤も処置しておきましょう。
遺体は、生前眠っていた時のように安らかな姿にしてあげてください。
せめて一夜は、見守ってあげたいものですが、それ以上の時間を過ごすことは、飼い主にとっても辛いものです。なごりは尽きませんが、ペットの遺体になるべく速やかにお別れをしてください。
犬は「死亡届」が必要
人間社会は法律によって、すべての事柄が規制されています。しかし「ペット社会」については、まだ充分な法整備がなされていないのが現状と言わざるを得ません。
そのなかで、よく知られている法律では「動物愛護法 (動物の愛護及び管理に関する法律)」や「狂犬病予防法」などがありますが、動物の死とその処理については、法律が熟成しておらず、遺体は一般廃棄物として扱われているのが実状です。
ペットのなかで、犬については、取得した時・死亡した時に市町村へ届出が義務付けられています。
これは「狂犬病予防法」により、伝染など人間への被害を防止するための措置で、ペットとして飼われている犬は 「鑑札」を身体の一部に装着しておくよう指導されています。犬が死亡した場合、飼い主は役所に死亡届を提出し、鑑札を返還します。
- ●犬以外の動物については、役所に届け出の義務はありません。
- ●役所とは別に、血統書のある場合は、登録団体にも連絡して所定の手続きを済ませておきましょう。